カード構造の基本:V2 と V1 の違い
SillyTavern のキャラクターカードは、実体としては PNG のメタデータ(chara チャンク)に JSON を埋め込んだもの、または JSON ファイルそのものです。2026 年時点の主流は Character Card V2 仕様で、V1 のフラットな構造を data オブジェクトで包み、cha…
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読み込み時に SillyTavern は V1 を V2 へ自動変換しますが、書き出し側が V1 のままだと character_book が欠落します。カードを配布・改変するなら、V2 で保存されているかを最初に確認してください。
主要フィールドの役割
| フィールド | 実際の挙動 |
|---|---|
name | プロンプト内の話者名。{{char}} に展開される |
description | 常時プロンプトへ挿入される中核設定。長さ=トークン消費 |
personality | 要約的な性格記述。description と重複させると無駄 |
scenario | 現在の状況・場面設定。チャット開始時の前提 |
first_mes | 最初の挨拶。ここで口調と距離感が固定される |
mes_example | {{user}}: / {{char}}: 形式の会話例。文体誘導に最も効く |
system_prompt | カード固有のシステム指示。グローバル設定を上書き |
post_history_instructions | 履歴の直後に挿入。ジェイルブレイク系の指示はここが多い |
alternate_greetings | 追加の開始メッセージ。スワイプで切替可能 |
creator_notes | UI 表示のみ。モデルには送られない |
重要:creator_notes と tags は推論に影響しません。挙動を変えたい情報は必ず description 側へ書いてください。
タグとシンボルの実務的な意味
タグは検索メタデータ
tags はカード市場やローカル検索のフィルタ用で、プロンプトには入りません。sillytavern、character-cards、card-anatomy のような分類タグは発見性のためだけのものです。一方、カード本文でよく使われる記法には実利があります。
{{char}}/{{user}}— 名前の動的展開。ハードコードは改名時に破綻する{{original}}— alternate_greetings 使用時に元の first_mes を参照{{random:a,b,c}}— 実行ごとにランダム選択。挨拶のバリエーションに有効
記号による構造化
### や [ ]、< > は仕様ではなく慣習です。モデルは訓練データ上でこれらを見出し・区切りとして学習しているため、指示の境界が明確になります。ただし過剰な装飾はトークンを食うだけで、効果は頭打ちになります。
World Info(character_book)のエントリ
character_book はキーワード一致で発火する遅延挿入型の設定群です。全エントリが常時読まれる description と違い、必要な時だけコンテキストを消費します。
keys— 発火トリガー。複数指定で OR 一致secondary_keys—selective有効時の追加条件constant— 常時挿入。世界観の前提向けinsertion_order— 複数発火時の優先順位position— before/after char、AN など挿入位置
大規模設定は description に詰め込まず、World Info へ分割するのが 2026 年の標準的な設計です。
実例:Archivist Lyra Vane の分解
Archivist Lyra Vane(記録保管人ライラ・ヴェイン)は、この構造を一通り使った参照用カードとして有用です。
description— 職業・口調・知識範囲を簡潔に。過剰な背景は World Info へ分離first_mes— 図書館の場面提示と質問返しで対話を開始mes_example— 丁寧だが距離を保つ文体を数往復で固定character_book— 「禁書」「失われた書架」などのキーで発火する追加設定tags—sillytavern、character-cards、referenceなど分類目的
このカードを V2 エディタで開き、各フィールドを実際に書き換えて挙動差を確認するのが、card-anatomy を理解する最短経路です。beginners はまず first_mes と mes_example だけを変えて差分を見ることを推奨します。
まとめ
カードの各フィールドは「モデルに送られる情報」と「UI・検索用の情報」に二分されます。挙動を変えるのは前者だけで、タグや creator_notes は推論に影響しません。V2 構造、World Info の遅延挿入、記法の慣習を押さえれば、カードの挙動はほぼ予測可能になります。
作成したカードの動作確認や配布には、MiniTavern の iOS・Android アプリと Chrome 拡張 が使えます。V2 カードの読み込み・編集に加え、Character Card Market で Archivist Lyra Vane のような参照用カードを入手し、構造を直接比較できます。
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