導入前に決めておくべき 3 点
SillyTavern を自前の環境で常時稼働させると、PC の電源状態に縛られず、スマートフォンやタブレットからも同じキャラクターカードとチャット履歴にアクセスできます。本記事では 2026 年時点の構成を前提に、VPS・Docker・自宅サーバーの 3 経路を実務目線で整理します。 デプロイ方法を選…
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デプロイ方法を選ぶ前に、次の要件を明確にします。ここが曖昧なまま進めると、後から構成を作り直すことになります。
- 公開範囲: インターネット公開か、Tailscale などの VPN 内限定か。SillyTavern は認証を持たないため、公開する場合は必ずリバースプロキシ側で Basic 認証などを追加します。
- 同時利用者数: 個人利用か複数人か。複数人の場合はユーザーディレクトリの分離とストレージ容量を見積もります。
- バックエンド LLM: ローカル推論(Ollama 等)を同居させるか、外部 API を使うか。同居させる場合は GPU の有無が構成を左右します。
方法 1: VPS に直接デプロイする
最も再現性が高く、初心者にも扱いやすい方法です。Ubuntu 24.04 LTS を想定します。
手順
- VPS を契約し、SSH 鍵でログイン。
sudo apt update && sudo apt upgrade -yを実行。 - Node.js 20 以上を導入(NodeSource リポジトリまたは nvm 経由)。
git clone https://github.com/SillyTavern/SillyTavern -b releaseでリポジトリを取得。cd SillyTavern && npm installを実行。- 初回起動
node server.jsでconfig.yamlを生成し、listen: true、port: 8000、whitelistにアクセス元を設定。 - systemd のユニットファイルを作成し、
systemctl enable --now sillytavernで常駐化。 - Nginx をリバースプロキシとして配置し、TLS 証明書を取得。WebSocket を通すため
proxy_set_header UpgradeとConnectionを必ず設定します。
注意点
- メモリは 2GB 以上を推奨。ローカル LLM を同居させるなら GPU 付きインスタンスが必要です。
- キャラクターカードやチャットログは
data/配下に蓄積されるため、定期的なバックアップを cron で組みます。
方法 2: Docker で運用する
アップデートとロールバックが容易で、環境差異を吸収できます。VPS でも自宅サーバーでも同じ手順が使えます。
構成の要点
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
| イメージ | 公式またはコミュニティ製の SillyTavern イメージ |
| ポート | 8000:8000 |
| ボリューム | ./data:/home/node/app/data、./config:/home/node/app/config |
| 再起動ポリシー | unless-stopped |
| ネットワーク | リバースプロキシと同一ブリッジ網 |
docker-compose.yml に上記を記述し、docker compose up -d で起動します。data と config をホスト側にマウントすることが最重要です。コンテナ内に閉じ込めると、イメージ更新時にキャラクターカードと履歴が失われます。
更新フロー
docker compose pullで新イメージを取得。docker compose up -dで差し替え。- 起動ログでマイグレーションエラーがないか確認。
タグは latest ではなくバージョン固定を推奨します。破壊的変更を含むリリースで突然停止するのを防げます。
方法 3: 自宅サーバーで動かす
ハードウェアを占有できるため、ローカル LLM との同居や大容量ストレージに向きます。ただし外部公開には追加の設計が必要です。
- 常時稼働マシン: ミニ PC や NAS 上の VM で十分。GPU を積む場合は冷却と電源容量を確認。
- 外部アクセス: ポート開放は避け、Tailscale や Cloudflare Tunnel を使うのが現実的です。公開範囲を限定すれば、認証周りの実装コストを削減できます。
- Docker 併用: 方法 2 の compose ファイルをそのまま流用できます。
- 停電対策: UPS を導入し、
dockerの再起動ポリシーと合わせて自動復旧させます。
3 方式の比較
| 観点 | VPS | Docker | 自宅サーバー |
|---|---|---|---|
| 初期コスト | 低 | 低〜中 | 中〜高(ハード) |
| 運用の手軽さ | 高 | 高 | 中 |
| ローカル LLM 同居 | 困難 | 構成次第 | 容易 |
| ストレージ | 従量課金 | ホスト依存 | 大容量可 |
| 外部公開 | 容易(要 TLS) | 容易 | トンネル必須 |
個人利用で外部 API を使うなら VPS + Docker の組み合わせが最も手間が少なく、ローカル推論を重視するなら自宅サーバーが適します。
運用時に押さえるポイント
- 認証: SillyTavern 本体は認証機構を持ちません。公開する場合はプロキシ側で必ず保護します。
- バックアップ:
data/とconfig.yamlをセットで世代管理。キャラクターカードの更新履歴も追えます。 - 更新頻度: 安定版ブランチを追い、月次でイメージまたはリポジトリを更新。
- カード管理: 複数環境で同じカードを使う場合、Market 由来のカードは出所を記録しておくと衝突を避けられます。
まとめ
VPS は最短で公開まで到達でき、Docker は更新と移植性に優れ、自宅サーバーはローカル LLM と大容量ストレージに向きます。まずは Docker 構成でローカルに立ち上げ、要件が固まった段階で VPS か自宅サーバーへ移す流れが現実的です。
デプロイ後の利用環境として、MiniTavern は iOS / Android アプリと Chrome 拡張を提供しており、構築済みの SillyTavern と組み合わせたキャラクターカードの管理・利用が可能です。カードの配布・入手には MiniTavern のキャラクターカードマーケット も活用できます。自宅サーバーの常時稼働が難しい場合の選択肢として検討してみてください。
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